2013年9月12日

舞踊会を開く際の心得(業者と出演者の関係)

最終更新: 2021年3月20日

映の会まであと8日

本番まで準備はたくさんあったのですが、ほぼ業者絡みは終わり、後は練習含め当日用意♪

舞踊会を開くに当たって、業者と出演者との主な合わせは以下の通り、

●衣装合わせ
 
……演目に合った衣裳を選び、演者の寸法に合わせるため計る
 
●かつら合わせ
 
……演者の頭の形にジャストサイズのヘルメット…いやいや地金を作る
 
●つぼ合わせ
 
……同じ演目でも流儀や振付師により編曲されていたりするのと、演者の呼吸の間を測るため合わせる
 
それを経ての
 
●下浚い
 
●場あたり
 
です。
 
ついこの前、「下浚い」「場あたり」でした。
 
いわゆる、ゲネプロ=リハーサルってとこです。
 
①衣裳屋さん
 
②床山さん(かつら屋さん)
 
③狂言方さん(舞台監督)
 
④音響&照明
 
⑤大道具さん(大物&舞台装置担当)
 
⑥小道具さん(小物&演者の持ち物)
 
⑦地方さん(唄&三味線)
 
⑧お囃子さん(打楽器系)
 
⑨後見さん
 
といった方達が、それぞれ2名~10名で、一同に集まります。地方さんにおいては、演目により、唄&楽団が変わるので、もっとたくさんです。
 
母だし…国立劇場だし…
 
自ずとこの仕事人達は、顔の知られた腕利きばかり
 
そんな偉大な人達に囲まれちゃうわけだから
 
そりゃあもぉ緊張するわけさ!!!
 
ってハズなんだけど、古典の業界人、上のクラスに上がれば上がるほど、威圧的にする人が余りいません。
 
以前、地方さんの知人に、
 
「地方さんに希望とか伝えていいものなのか?」
 
と尋ねたら、
 
他人の仕事に土足で踏み込むような主張は控えるべきだけど、舞踊会においての主役は演者で、地方は演者を引き立てる役とわきまえています。ご希望は伝えてはいかがですか?
 
と言われました。
 
「礼に始まり、礼に終わる」
 
ジャンルに共通していえることなのだろうけど、対作品には一線に並べる方達なので、いいものを作るという意味ではとても柔軟です。
 
確かに舞台に立つなら、演者は仕事人へ、信頼なくしては踊れません。
 
思いやりが無かったり、威圧的だったり、柔軟でなかったりすると、即、仕事を無くす世界だと思います。
 
私も心得ておかなければいけないなぁ…
 
でも、そんな優しい仕事人達が、
 
第二部で上演される母の新作のリハーサルでは、
 
いつもより熱く意見をキャッチボールしていました。
 
みんな、何か作るのが好きなのね~
 
新しいものに関わるときは経験から来る主張がぶつかり合うようです。
 
もちろん、最善であろう点で折り合うのですが、とてもいい光景です。
 
母の作品、裏方のみなさんも意欲的に関わって下さっています♪素晴らしい。
 
本番、仕事人達は
 
①衣裳屋さん
 
②床山さん
 
は、楽屋の上手(かみて)側の部屋でお仕事して下さいます。
 
③狂言方(きょうげんがた)さん
 
④音響&照明さん
 
客席の後ろと舞台上手(かみて)&下手(しもて)でお仕事して下さいます。
 
⑤大道具さん
 
舞台の真裏で、主に、演目と演目の間に背景をチェンジするお仕事。上演中、景色を動かす作業をして下さいます。
 
⑥小道具さん
 
主に舞台下手(しもて)にいらっしゃって、演目に最良の小道具を用意して待機していて下さいます。
 
⑦地方(じかた)さん
 
舞台上に座られます。演目によって左、右、後、と位置は変わります。
 
⑧お囃子さん
 
舞台で演奏することもありますが、多くは下手(しもて)の御簾の裏で鳴らします。
 
⑨後見(こうけん)さん
 
上演中は、演者の小道具の世話や衣裳替え、時には、主役を引き立てる脇役として出演して下さいます。
 
簡潔に説明しちゃいましたが、それぞれに深いんです…ご想像下さいませ。
 
たくさんのプロに囲まれての上演です。たくさんの方の支えあっての上演です。
 
で、そうやって作り上げたものを上演するにあたり
 
何が一番大事かってぇと
 
観に来て下さる観客です!
 
観客がいなくては成立しません!!
 
どうぞ、皆様、日本の伝統古典などに興味を持って劇場へ足をお運び下さいませ♪