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偲ぶ

20代、日本舞踊をきちんと勉強しようと思い 師匠より外の稽古場で学んで来なさいと背中を押され飛び込んだ舞踊塾 5年間お世話になりました。 2年で卒業のところ 私たち同期は長く面倒を見ていただき 2年間は先生の振付新作作品の勉強

その後は、古典作品の稽古まで多彩に内容の濃い時間を過ごさせていただきました。 仲間は、五條流、藤間流、花柳流、若柳流と全員流派も違い、当時から既に活躍されている実績をお持ちの舞踊家さん達でしたので先生のご指導に加えて、仲間から学ぶものも多彩でした。

塾の稽古は、周りのレベルの高さから まだ基礎すら怪しい私がついていくのは大変で 私は踊るだけでなく、ノートにどんどん書き留めて揉む稽古が多かった 文字にして一度頭の中で整理をしないと

皆さんについていけなかった このときのノート活動は今でも役に立っています

卒業の1年間は、卒業公演へ向けての稽古 公演で踊る演目は先生から渡されます。 「映司さんは何がいいかしらね、「河」とかやってみる?うん、それでいいんじゃないかな。いい?」 というお言葉。 先生の代表作でもあり、塾生ならばみんな踊りたいと思っている作品。 どなたかと組物かと思っていたので、一瞬、思考が停止しましたが 「ありがとうございます。がんばります。」と返事をしました。 帰りの電車で、ワクワクとドキドキな気持ちに包まれたのを記憶しています それぞれに自主稽古を重ねて 稽古の成果を先生に見て頂く稽古は それはそれは緊張しましたので、正直 どんなふうに踊ったかどんな言葉を掛けられたか 明確には覚えていないのですが 稽古が終わり、本番を無事に終えた後に 周囲の方から、 先生が楽屋で

「この作品をちゃんと表現している」

とおっしゃって下さっていたと聞き 心底安心しました。 作品を作られたご本人に表現のOKを頂き 自信を持てない私でも、どこか自信を持とうと思えた言葉でした。 思い出は沢山あります。 とても可愛らしい方でした 新しい作品を生み出し形にしているのが幸せそうでした。 面倒な事はお好きではないようでした。 稽古に真摯な方で、指導は容赦無かった。 顔をくしゃっとして大笑いされる方でした。 いつも少年のような方でした。 今月 旅立たれました もお想像の世界でしかお会い出来ないと知って悲しいです。 私が拝見した最後のお舞台 本当に本当に素晴らしく感動しました。誇りです。 演劇を心底愛した人の中でも限られた人にしか表現出来ない世界観がありました 先生、ありがとうございました。

またお会いしたいです。 写真:私が踊らせていただいた「河」







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